『溺愛恋愛マイスターのポゼッシプ?!〜仔猫なハニーの恋愛偏差値〜』
だからこそ…イライラが募る。
なんせ、彼女は愛らしい。
誰から見ても、完璧なまでに愛され女子だ。
俺と交際をスタートしてから、それはそれはまるで、花の蕾が開花して咲き誇るが如く、贔屓目抜きにして、可愛いし綺麗になった。


何故それが分かるか?
そんなもの、課内の男共が彼女に何かしらのアプローチをしているのを見かけるからだ。

本当は…職権乱用をしてでも、社内の奴等に、

「あいつは、俺のものだ!」


と牽制したい所だが…。

そんな事をしてしまったら、恥ずかしがり屋な彼女に「嫌い」なんて言われそうで…それを言われたら軽く死にそうで…喉元まで出てくるその言葉をぐっと飲み込んでいる今日この頃。


日を追う毎に、キラキラと輝きを増す彼女。
そんな姿を見て、にやけるのを必死で隠す俺。

メラメラと燃えるこの嫉妬の深さは、きっと莫大な愛情のせいだと思っている。


…当の本人は、そんな事なんか気にする事なく、今日も今日とて、絶賛キュートな人たらしスマイルで、男共を悩殺している…。


あーもー…。

今夜のデートで少し、お仕置きをしてやろうか…。
なんて、物騒な事を思いながら、俺は溜息を吐き書類に目を向けた。
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