【完結】スキャンダラスな愛され契約~危険な魅力の幼馴染の愛は重い~
 瑛二くんは、きちんと考えていたんだ。それを、悟るとなにも言えなくなった。

 そして、そんな瑛二くんを陥れようとした女優の人に、無性に腹が立つ。

「……だが、瑛二。お前は、肝心な人を巻き込んでいるだろう」

 しばらくして、零一くんがそう呟いた。……肝心な人。それは、誰なのだろうか?

 きょとんとする私に、零一くんの視線が注がれる。……この場合、私、なのだろうか。

「どうしてお前はみつばを巻き込んだ。……今の話を聞くに、相手はお前が結婚したと知っても、諦めなかっただろう」

 零一くんがはっきりとそう告げれば、瑛二くんがなんとも言えない表情を浮かべる。

 その目の奥に宿っているのは、申し訳なさだろうか。……別に、全然いいのに。

「みつば、あのな……」
「別に、いいよ」

 瑛二くんの言葉を遮って、そう告げる。彼が驚いたように目を見開いた。

「私にも、メリットがあったもの。……それに、私、瑛二くんと同棲してて、案外悪くないなって思ってた」

 この人とだったら、結婚しても上手く行く。

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