【完結】スキャンダラスな愛され契約~危険な魅力の幼馴染の愛は重い~
「……本当は逃げようって、思ってた。けど、やめだやめ」

 瑛二くんがゆるゆると首を横に振って、そう言う。

「みつばにかっこ悪いところ、見せられないし。……俺は、きちんと決着……っていうか、けじめはつけるよ」
「……瑛二、くん」

 彼の言葉に、私が自然と彼の名前を呼んでいた。瑛二くんが、私のほうをみて笑う。

「だから、みつば。……けじめをつけたら、俺と本当に結婚して。ここから離れるのが嫌だったら、それでもいい。俺が、こっちに戻ってくるから」

 真剣な言葉に、私は頬に熱が溜まるのを実感した。

 ……は、恥ずかしい。だって、ここ、たくさんの人がいるわけだし……!

「そ、その返事は、また後日、ということで……」

 今は、こういうのが精いっぱいだった。が、瑛二くんは納得してくれたらしい。大きく頷く。

「俺、きちんとけじめをつける。……もう、逃げたりしないから」

 そう言った瑛二くんは、何処までも素敵だった。
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