【完結】スキャンダラスな愛され契約~危険な魅力の幼馴染の愛は重い~
(妊娠、妊娠かぁ……)

 そう思って、自らのお腹を撫でてみる。まだ真っ平なお腹。ここに新しい命が宿っているなんて、想像できない。

 全然現実味がない中、私は瑛二くんを見つめる。……これ、起きてるな。

「瑛二くん」

 彼の肩を軽く揺らせば、瑛二くんが顔を上げた。

 ……その目は、気まずそうに私から逸らされている。

「……聞いてた、でしょ?」

 そっとそう問いかければ、瑛二くんは少しためらって、こくんと首を縦に振る。

「……驚いた?」
「……あぁ」

 沈黙が場を支配する。

 でも、別に不快じゃない。

 そんな風に思うからこそ、私は彼の手を取って、自らのお腹に当てた。

「ここに、瑛二くんと私の子がいるんだって」
「……あぁ」
「……産んでいい?」

 一応問いかけてみる。そうすれば、瑛二くんが私の顔を慌てて見つめてくる。

 どうしてそんなこと聞かれるのか、わかっていないみたいだった。
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