【完結】スキャンダラスな愛され契約~危険な魅力の幼馴染の愛は重い~
「いいとか、悪いとか。……そういう話じゃ、ないだろ」
「……うん」
「みつばと俺の子だ。一緒に、育てさせてくれ」

 彼が真摯な眼差しでそう訴えかけてくる。だから、私は自然と笑みをこぼした。

「これから、いっぱい迷惑かけると思うんだけど」
「全然、構わない。むしろ、代わってやれないから、迷惑をかけてくれ」

 瑛二くんがそう呟いて、控えめに私の身体を抱き寄せる。

 抱きしめられても、力は弱々しい。それは、お腹の子を思ってのことだろう。

「なぁ、みつば」

 私の身体を抱きしめたまま、瑛二くんが声を上げる。私は、ただ黙っていた。

「俺と、本当の夫婦になってくれ。俺は、みつばじゃないとダメだ」

 はっきりと告げられた言葉に、胸がぎゅっと締め付けられる。

 頬を伝う水滴は、涙だ。……悲しいからじゃない。嬉しいからだ。

「みつば?」

 黙り込む私を見て、瑛二くんが不安そうに声をかけてくる。

 私は、こくんと首を縦に振った。
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