【完結】スキャンダラスな愛され契約~危険な魅力の幼馴染の愛は重い~
「……次は、いつ東京に行くんだっけ?」
「……あー、そうだなぁ。そろそろ、一回行ったほうがいいかも。正直、もうずっとこっちにいてもいいと思うんだけど」
「それは、なんかもったいないよ」

 私は瑛二くんの俳優としての姿も好きなのだ。なので、そう簡単に捨てていい立場ではないと思う。

「そうか。……じゃあ、もう少し続ける」

 彼は私の言葉に弱い。

 それがわかっていて、私はおねだりをしてみたり、甘えてみたりするのだ。

 ……けど、瑛二くんって本当に私が好きだよねぇって。

「瑛二くんって、私のこと本当に好きだよねぇ」

 小さくそう言えば、瑛二くんに頬を両手で挟まれる。驚いて彼に視線を向ければ、彼がにんまりと笑っていた。

「今更? 俺の愛情はそこら辺の海より深いんだけど」
「……知ってるよ」

 軽く見えるし、女癖が悪いとか見られてた瑛二くん。でも、今は愛妻家として別のイメージを持たれている。

 というのも、細美さんに付きまとわれていたことが露見して、彼のイメージはいつしか『苦労人』になっていたのだ。そこに『愛妻家』という印象が加わって、今に至る。

(あの噂、大体全部細美さんが関わってたし……)

 なので、細美さんのスキャンダルが露見して、彼女が振り回していた周囲の人のイメージが一転した……というのも、あるのかも。
< 53 / 55 >

この作品をシェア

pagetop