四番
洗って手拭いをあてると居間に通された。

ちゃぶ台の前に座らされ、私の後ろに里依紗が座る。

お婆さんは箪笥の上にある救急箱を持ってくると慣れた手付きで消毒、ガーゼをあててテープで止める。

最後に包帯を巻いてくれて私の手当は終わった。


「ありがとうございました」

私は手をついてお礼を言った。

里依紗も姿勢を正してお礼を言う。

「風呂に入ったら同じように処置するんだよ」お婆さんは穏やかな声で言うと、やんわりと笑顔になった。

今まで私が抱いていたイメージとは余りにかけ離れた優しい笑顔だった。


「ねえ、お婆さん。ちょっと聞いていいかな?」

里依紗が話しかける。

「なんだい?」

「なんで学校に行ったらダメなんだよ?なんかあるの?」

里依紗が聞くとお婆さんの表情は険しくなった。

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