四番
「ただ」
お婆さんが私と里依紗の顔を見て言う。
「人体実験。あれを人体実験というのかはわからないが奇妙なことはしていたよ」
「それって?」
「特に重度の患者、精神疾患の患者を個室に連れて行くんだ。そして数人で観察して記録する。そのときに限って普段は病院の仕事に関わらない外部からの医療スタッフが中心で行うんだよ。私達、病院の看護師はあくまで患者の付き添いで一緒にいたんだ」
「観察と記録?なぜ?」
私が聞くとお婆さんは首を振った。
「わからない。ただ椅子に座らせて喋ることを記録したり、絵を書かせたり。その時間をいつも測っていた。そんなことを毎日繰り返していた」
「なんでそんな記録を?」
「その患者さんが特別だったとか?」
「さあ。患者はいつも違っていたよ。主に重度の患者だったけどたまに軽い病状の患者も連れてこられた」
お婆さんが私と里依紗の顔を見て言う。
「人体実験。あれを人体実験というのかはわからないが奇妙なことはしていたよ」
「それって?」
「特に重度の患者、精神疾患の患者を個室に連れて行くんだ。そして数人で観察して記録する。そのときに限って普段は病院の仕事に関わらない外部からの医療スタッフが中心で行うんだよ。私達、病院の看護師はあくまで患者の付き添いで一緒にいたんだ」
「観察と記録?なぜ?」
私が聞くとお婆さんは首を振った。
「わからない。ただ椅子に座らせて喋ることを記録したり、絵を書かせたり。その時間をいつも測っていた。そんなことを毎日繰り返していた」
「なんでそんな記録を?」
「その患者さんが特別だったとか?」
「さあ。患者はいつも違っていたよ。主に重度の患者だったけどたまに軽い病状の患者も連れてこられた」