四番
「あの病院には地下があったんだよ。なにかを研究しているような施設が」
「きた!新種のウイルスだ!」
里依紗が膝を叩いて言った。
「いいや。さっき話した患者を観察するスタッフ。あれは地下から来た人間だったけど、なにかの薬品を飲ませたり注射するといったことはしなかった。本当にただ座らせているだけだったよ。ただ奇妙なことがあってね」
お婆さんは顔をしかめた。
「男性の患者を座らせた時だった。突然、女性の言葉で話すんだ。それも少女のように。普段はそんなことないのに。そんなことが人は違っても何度もあったよ」
「催眠術とか?」
私が聞くとお婆さんは「わからない」と言って首を振るだけだった。
「私達一般の職員は、みんな地下のことを秘密にする条件で信じられない高待遇を得ていたんだよ。だから私もこんな一軒家にすんでいられるのさ」
「でもそんな大事件なら絶対にテレビも新聞も扱うはずだわ。いくら口止めしたって」
「新聞もテレビも真実は扱わなかった。病院の件は食中毒で大量に転院したとか嘘の情報を扱ってたよ」
「きた!新種のウイルスだ!」
里依紗が膝を叩いて言った。
「いいや。さっき話した患者を観察するスタッフ。あれは地下から来た人間だったけど、なにかの薬品を飲ませたり注射するといったことはしなかった。本当にただ座らせているだけだったよ。ただ奇妙なことがあってね」
お婆さんは顔をしかめた。
「男性の患者を座らせた時だった。突然、女性の言葉で話すんだ。それも少女のように。普段はそんなことないのに。そんなことが人は違っても何度もあったよ」
「催眠術とか?」
私が聞くとお婆さんは「わからない」と言って首を振るだけだった。
「私達一般の職員は、みんな地下のことを秘密にする条件で信じられない高待遇を得ていたんだよ。だから私もこんな一軒家にすんでいられるのさ」
「でもそんな大事件なら絶対にテレビも新聞も扱うはずだわ。いくら口止めしたって」
「新聞もテレビも真実は扱わなかった。病院の件は食中毒で大量に転院したとか嘘の情報を扱ってたよ」