四番
「あの学校、この町にもそのうち恐ろしいことが起こる。感じるんだよ。あの夜中に地震があった日からは特にね。最近は誰かが家に来たんじゃないかと思うときもあるしね」

その話を聞いてゾッとした。


「な、なんですか?誰かが来たとか?その病院の話を黙ってろって言った連中の仲間とか?」

里依紗が身を乗り出して聞く。

お婆さんの後ろにある仏壇の蝋燭の炎がゆらゆらと動いた。


「いいや。あんな話をしたところで誰も信じないし、証拠もない。口止めはしたが仮に誰かが喋っても誰もまともに取り合わないと相手もわかってるのさ」

「じゃあ誰が?」

私が聞いた。背中に冷たい汗が伝うのがわかった。


「病院でもたまに感じていた感覚だよ。誰かが見ているというか、いるというか、そういう気味の悪い感覚さ」


私と里依紗は顔を見合わせた。

里依紗は首をひねる。


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