四番
私と里依紗はお婆さんに手当のお礼を言って、家を後にした。

聞いた話はちょっと人には言えないと言った。

いたずらにみんなを不安にするし、必ず面白がって広める人がいるから。

お婆さんは納得してくれた。


「なあ、未来はどう思う?」

「なにが?」

「さっきの婆さんの話。私はちょっと信じられないな」

「過去の病院の話?」

「ああ。それに最近誰かがいるとか、まるでオカルトじゃん?」

「たしかに。私もちょっと信じられないよ」


手当をしてくれたお婆さんには悪いけど、やっぱり過去の話はにわかに信じられなかった。

「やっぱ頭がイカレてんだよ。いい人だけどさ」

里依紗がため息をつきながら言った。

私も里依紗と同じ意見だった。

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