四番
私達と向かい合ったお婆さんは、穏やかで優しい人だった。

それだけに、なんだか残念だと思った。


里依紗と別れた後に、お婆さんの話を思い出した。

たしかに私はお婆さんの話を信じていない。

でも、それは過去のことに限った話で、一つ共感できるというか理解できるものがあった。

「誰かが家にいるように感じる」といった話。

最近、私の周りで感じたことと似ている気がした。


私も最近になって、家にいるときに誰かの視線を感じたり、いるような気配を感じるときがある。

ああいうのが所謂、心霊体験なんだろうか?

今まで心霊とは無縁だったので、自分ではわからない。


真里に聞いてみようかな?

あの子は霊感あるし。


そんなことを考えながら薄暗くなった道を歩いて帰った。

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