四番
家に着くと自分の部屋に上がる。

カラン……。

風鈴が透き通った音を奏でた。

窓は閉まってるのになんで?

室内を見回すがなにも変化はない。

きっと窓の隙間から風が入ったんだろう。


ベッドに腰を下ろす。

なんだか急に眠くなってきた。

瞼の重みにどうしても勝てずに目を閉じた。


……

なんだろうこの画面は?

ノイズがかかったような画面だ。

どこかの殺風景な部屋、真ん中に椅子があり病院服を着た女の子が座っている。

周りには白衣を着た人が数人。

撮影をしたり、記録をつけたりしている人、なにかの機械を見ている人もいれば時間を測っている人もいる。


ああ、これはお婆さんが言っていた「実験」の風景か。

なんでそれを私が見れているのか?

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