四番
電極を外された女の子は、その人に笑顔を向けた。

とても愛らしい笑顔を。

男の人は彼女の頭を撫でて、手を取って椅子から立ち上がらせる。


少し時間を置いて、今度は小さな男の子が椅子に座った。

電極を取り付けられ、さっきと同じように目を閉じて、何十秒かしてから何かをつぶやく。

みんなが記録に取る。

その次も、違う男の子が座って同じことをした。

数人同じことの繰り返しが続いた。

しかし女の子のように立ち上がるようなことはなかった。


目を閉じて話している時間も彼女が一番長かった気がする。

他の子の数倍以上に感じた。


目の前の景色のノイズが激しくなり、テレビを消すようにプツッと消えて真っ暗になったところで目が覚めた。

私は制服姿だ。

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