四番
外に出るととてもいい天気だった。こんなときに通り魔が現れたらどうしよう?そう考えると気持ちのいい朝も台無しになる。

嫌な気持ちを振り払うように頭を振ると学校へ向かって歩いた。



学校に着くと教室は異様な雰囲気でざわついていた。

「未来、おはよう!」 私を見つけた真理が手を振る。 横には里依紗がいた。

「何かあったの?」 教室の雰囲気を見ながら二人に聞く。

「あの婆さんが死んだらしいよ」

里依紗に教えてもらって驚いて、口に手を当てる。 昨日会ったのに。

「でも」 私が言いかけると里依紗が厳しい目でなにか訴えてきた。


「犬に噛み殺されたって」 私が黙ると真理が横から死因を教えてくれた。

「犬!?」私の頭に、昨日襲ってきた黒い犬が浮かんだ。


「みんな騒いでるから、ほんとかよ?って思って検索したらマジだったよ」

里依紗がスマホを私に見せる。 ウェブのニュースにお婆さんの件が載っていた。

教室を改めて見回すと、修哉も友達何人かと話している。

一人、恭平だけが我感せずと言った感じで本を読んでいた。

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