四番
武藤先生が言いたいことは理解できた。
ただ、教室を見ると納得している顔もあれば、そうでない顔もある。
学校では終日、その話題で持ちきりだった。中にはいつマスコミが来るのか、休み時間のたびに窓の外を見る生徒も多かった。しかし期待を裏切って、マスコミは学校に来なかった。
放課後になって、里依紗が大事な話があるというので私達は学校の近くにある公園に集まった。大事な話というと駆け落ちのことなんだろうけど、日にちが決まったのかな? 私と真理、修哉と恭平を前にして、里依紗が口を開いた。
「明日の夜に町を出ていくから」 「えっ!?」 みんな驚いて同時に声を発した。
「明日って、そんないきなりすぎるよ!」 真理が抗議するように言う。
「ごめん」 里依紗は真理をまっすぐ見て謝った。
「もっと事前に教えてくれるかと思ってた」 私が言うと里依紗は、 「悪い。彼氏の仕事の都合でさ。急に決まったんだよ」 と、答えた。
「私も同じ仕事場で働けるようになったし、月曜からって言われたら断れないじゃん?」
「仕事が決まったの?」 里依紗に恭平が聞く。
「ああ。ちょうど彼の仕事場で欠員が出てさ」
ただ、教室を見ると納得している顔もあれば、そうでない顔もある。
学校では終日、その話題で持ちきりだった。中にはいつマスコミが来るのか、休み時間のたびに窓の外を見る生徒も多かった。しかし期待を裏切って、マスコミは学校に来なかった。
放課後になって、里依紗が大事な話があるというので私達は学校の近くにある公園に集まった。大事な話というと駆け落ちのことなんだろうけど、日にちが決まったのかな? 私と真理、修哉と恭平を前にして、里依紗が口を開いた。
「明日の夜に町を出ていくから」 「えっ!?」 みんな驚いて同時に声を発した。
「明日って、そんないきなりすぎるよ!」 真理が抗議するように言う。
「ごめん」 里依紗は真理をまっすぐ見て謝った。
「もっと事前に教えてくれるかと思ってた」 私が言うと里依紗は、 「悪い。彼氏の仕事の都合でさ。急に決まったんだよ」 と、答えた。
「私も同じ仕事場で働けるようになったし、月曜からって言われたら断れないじゃん?」
「仕事が決まったの?」 里依紗に恭平が聞く。
「ああ。ちょうど彼の仕事場で欠員が出てさ」