四番
修哉との電話も自然と話題は里依紗のことになった。電話を終えて、そろそろ寝ようかと思ったのは二十三時を過ぎた頃だった。

さっきまで窓からは気持ちの良い夜風が入ってきていたが、今は止んでいる。

その代わりに遠くから犬が吠える声がやたらと聞こえてきた。

なんだろう……?


今までも夜に犬が鳴いてるのは聞こえてきたときがあったけど……

最近は頻繁に聞こえる気がする。

しかも今日は特に多くて、なんだか普通じゃないみたいな感じ。

不安を煽り立てるような声だ。


犬に噛み殺されたという田島さんのことを思い出してしまい、余計に不吉な思いに駆られる。

嫌な感じの夜だな。


カラン…カラン…

フワッと風が入ってきて、風鈴が鳴った。

犬の声も一層強まる。

私は窓を閉めようとした。

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