四番
「やっぱ本当なんだ」


真理が寂しそうに言う。


「そんな顔すんなよ」


「うん……」


私達が歩いていくと校門の前に人だかりができていた。


「なんだあ?」

里依紗が首をかしげる。


「早く学校に入って!」

先生の大きな声が聞こえる。


「なんか揉めてるかな?」

里依紗が楽しそうに言って歩き始めると私達も の後に続く。


「なんだ。あの婆さんだよ」

里依紗が私と真理 の方を振り向いて言った。

そのまま校門をくぐる。


私はチラッと騒ぎの中心である、お婆さんを見た。



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