四番
国道沿いのコンビニ。夜中ということもあって交通量も少なく、店内に客はいない。


駐車場に二台の大型スクーターを停めて四人の男女がたむろっていた。


彼らがコンビニに来た頃、ちょうど雨が降り出した。


雨は一時間ほどで止んだが、特に行くあてのない彼らはそのまま店の外で缶ビールを飲みながら騒がしく話していた。


するとどこからともなく犬の遠吠えが聞こえてくる。


その声が会話を遮った。

何匹もの犬が遠くで吠えている。


なにかに怯えたような、狂騒的な声は心の奥底に小さな不安を芽生えさせる。



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