四番
「それを近所の人が学校に通報して先生が駆けつけてこの騒ぎだよ」


恭平が呆れたように言った。


「なんだ。いつものことじゃん」


里依紗が興覚めした感じの声を出した。


たしかに同様のことはこれまでもあった。


まあ、里依紗が言うように「いつも」と言うほどではないが。


「いや、そこじゃないんだ」

恭平がメガネを人差し指で上げながら言った。


「じゃあなにさ?」

里依紗がバッグを机に置きながら聞く。


恭平は周りでざわつくクラスメイトをチラッと見てから私達に話した。


「例の噂話があっただろう?あの、病院の跡地に学校が建てられたとかいう」


「ああ、あれがどうかしたの?」



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