四番
「ただ、そういう風なことを言ってたから、みんな騒いでるわけだ」


修哉が半ば呆れるように笑う。


私は教室を見渡してみた。


クラスメイトの顔を。


中には不安を浮かべたような表情も見えるが、みんな楽しそうだ。


真理も私と同じようにクラスメイトの顔を見ている。


「嘘みたいな噂がほんとだったわけか」


里依紗の声が耳に入る。


例の私達が通う学校にまつわる噂話。

都市伝説みたいなやつが、実はほんとうの話だった可能性がある。

それは、私達の学校や生徒が気味の悪い話の中心に位置することになる。

真理はそんな様子を眉根をよせて見ていた。


始業のチャイムが鳴り、みんな話しながら席につく。



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