四番
私は席に着いてから、後ろの方に座る修哉を見た。


修哉と目が合って、互いに照れたように笑ってから視線を前に戻す。


教室のドアが開いて、担任の武藤先生が入ってきた。


「みんな、おはよう!」

「おはようございます」

起立して全員で礼をすると着席した。


「先生!」

男子の一人が手をあげる。


「ん?なんだ?」


「俺たちなんも悪いことしてないんだけど」


「そうそう」


「あのお婆さんがいきなり絡んできたんだから」


「怖かったよね~」


さっき塊の中心にいた女子三人が口々に言う。


あの子たちが田島さんに絡まれたのだとわかった。



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