四番
「ありがとう」

「また私に勉強教えてくれよ」

「それはいいけど、キレないでくれよ」

「それはわからない。頑張るけど」

二人のやりとりを見て、私と真理は笑った。


里依紗は以前、恭平に勉強を教わったが一時間もしないうちに問題にキレてしまった。


「僕は教えるのは向いてないみたいだ」 恭平はそのことを思い出してか笑って言う。


「恭平君はやっぱり大叔父さんを目指してるの?」 真理が尋ねると恭平は頷いた。


恭平の大叔父さんは研究者だった。 過去系なのは、今は亡くなっているから。


「もっとも僕が生まれる前に亡くなってるから会ったこともないけどね」


「でも同じ道を目指してるのだから、なにか影響を受けたんだよね?」 真理が恭平に尋ねる。



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