四番
「なんか気持ち悪い……血の色みたいに真っ赤」いつもの夕焼けと違う空が心を不安にさせる。


「気持ち悪いのはわかるけど、まあ気にすんなって」里依紗が笑いながら私に言う。


「なあ、ちょっと聞いていい?」「なんだよ?」恭平が里依紗に遠慮がちな感じで話した。


「家を出て……生活とかってどうするの?」


「なんとかなるんじゃん?」里依紗はあっけらかんと答えた。


「なんかならないよ。そんな簡単にいくわけないじゃないか」恭平が語気を強めた。


「なんだよ?どうしたんだよ?いつも穏やかな恭平らしくないじゃん」里依紗が驚く。


「恭平は心配してるのよ」私が言うと里依紗は苦笑いした。


「サンキュー、恭平」



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