四番
私も、恭平も、里依紗も固唾を飲んで車の方を見ていた。


運転していた人はどうしたんだろう?


まさか死んでしまったの?


でも見たところフロントガラスは損傷していないから大丈夫なのかも。


そのうち、周囲にいる人の中から何人かが救助活動を手伝い始めた。


車のドアのロックが外れているらしく、そこから中の人を外に出すようだ。


何人かが車の中を覗きこんだときに突然車が揺れだした。


助けようと覗きこんだ人達が驚いて車から離れる。


私たちのいる場所からは車が揺れていることと、周りの人達が動揺していることしかわからない。


「なんだよ?なにがあった?」


里依紗が脚を止めて揺れる車を見る。


私と恭平も同じように魅入ってしまった。



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