四番
家の近くになり、私は二人と分かれて大通りを左に曲がった。
空は血を流したような夕焼けから徐々に薄暗くなっていた。
街灯の照明がジジッ…っという音を出しながら点滅している。
点いたり消えたりしているおかげで、馴染みの帰り道もいつもよりも暗く感じてしまう。
なんとなく気持ちの悪さを感じた私は少し脚を速めた。
もう家が見えてきたときだった。
「あれ?家の前に誰かいる?」
暗くなった道、その先にある私の家の前に誰かが立っているのが見えた。
正確には私の家の手前にある電柱の横に。
暗がりだが髪の長い女の人だとわかる。
なんだか気になってしまった私は目を伏せ気味にしながらチラッと見える程度に、その女の人を視界に入れながら歩いた。