四番
あれ?あの服は……うちの学校の制服じゃないだろうか……


暗がりに佇む女の人との距離はどんどん近づいてくる。


近付くにつれて鼓動が大きく聞こえるような気がした。


女の人は相変わらずこちらに背を向けている。


「未来…… 未来……」

「えっ」


思わず声を出してしまった。

耳に入った私の名前を呼ぶ声。


聞いたこともない声に驚き、周囲を見回す。


誰もいない。


私に背を向けた女の人以外は。


「未来……」


声の主はその女の人だった。


背を向けたまま、私の名前を発したその人はゆっくりとこちらを振り向く。


私はこのときになり、おかしなことに気がついた。



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