四番
学校に行く途中で里依紗と会い、一緒に歩いていくと校門の前に先生が二人も立っていた。


「なんだろう?」


「昨日は通り魔とかあったからだろうな。しかも三件、みんなこの町だぜ」里依紗がスマホを見せると画面に配信記事が映っていた。


「例の婆さんといい、最近は頭のおかしいの多いもんな」


「そういえば昨日、事故があったじゃない。他にも同じ時間帯に事故があったんだって」


「気をつけなきゃな。のんびり歩いていられないって」


こうして事件や事故について話していると、どうにも不安を感じてしまう。


そんなニュースは四六時中流れているし、日常的に起きているのに。


やはり自分の生活圏内で起きたからだろうか。


不幸不吉が自分の身近で起きていることに感じる不安。


それが私の中で紙に垂らした墨のように広がっていった。




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