四番
「おはようー!」後ろからいきなり真理が挨拶しながら背中を叩いてきた。


「おはよう!ビックリした~」


「脅かすなよ」


「へへへ……歩いてたら二人を見つけて嬉しくって」真理は照れたように言った。


「そういえば今日って未来は修哉とデートだっけ?」


「うん。今日は部活が休みだから」


「そっか。一週間ぶりか。にしては嬉しそうじゃないね?」真理が私の顔を見ながら言う。


「嬉しいよ」笑って返した。


 さっき話していた事件や事故に感じた不安や恐れが顔に出ていたのだろうか?


「気にしない気にしない」心の中で自分に言い聞かせると、二人に笑顔で別の話題を振った。



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