四番
放課後になって玄関で待っていると、修哉が自転車を押しながら来た。修哉の家は私の
家よりも学校から離れているので自転車通学している。


「どう?調子は」


「まあまあかな」自転車を押しながら修哉が答えた。


「試合ではスカッと勝って自己ベストも更新したいよ」


話しながら校門を出ると、自転車に跨った修哉に乗るように促された。


後ろに腰掛けると修哉の体に腕を回す。


修哉が自転車を漕ぎ出すと風に髪がなびいた。


「今日は久しぶりに私の家行こうよ!」


自転車が坂道を下り、スピードが上がる。私は修哉の腰をギュッとつかんだ。



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