四番
それを見た二人は「やれやれ」というふうに顔を見合わせて笑うと促されるままスクーターの後ろに乗った。

エンジン音とともにスクーターが発信すると後ろ手に缶ビールが投げ捨てられた。




国道から脇道にそれて緩やかな坂を登っていく。左右は林で街灯もまばら。

ほとんど真っ暗といってもいい道を二台のスクーターのライトが照らしていく。


「こんなところあったんだね」

「でしょ?あたしも知らなかったもん」


後ろに乗りながら女子二人が会話する。

やがてスクーターは右折する。


道路の脇には草に埋もれた地蔵が見えた。

道沿いにいくつかある。

明かりのない道を進むと開けた場所に出た。


スクーターを停める。



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