四番
私はスマホの電話帳を開くと、恭平の番号をプッシュした。


どうして?なんで恭平に電話をかけるの?


コール音を聞いている間、私の鼓動はどんどん高鳴っていく。


「はい」

「恭平、今って暇?」

「ああ。暇だけど。どうしたの?」

「ちょっと付き合って欲しいんだ」

「なにかあった?」

「ちょっとね」

「里依紗も呼ぼうか?」


「ううん。あなたと、恭平と二人だけで話したいの」


恭平は言葉に詰まっているようだった。


きっと修哉のことを気にしているのだろう。


「お願い」


「わかったよ」


私が困ったようにお願いすると、恭平は承諾してくれた。




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