四番
「じゃあ三十分後に駅向こうのファーストフードで会おうよ!」


躊躇するように返事をした恭平と約束すると電話を切った。


まだドキドキしてる。 私は喜んでいる?


でも、なぜ自分が喜んでいるのかわからない。


どうしてだろう?


着替えてメイクをする。


まるで初めてメイクするみたいにドキドキしている。



準備が終わって家を出ると、不思議なことに目に映るいつもの風景がまるで初めて見るように新鮮に感じた。


空を見上げると今まで感じたことのないほど気持ちが昂り嬉しくなる。


こんなことは初めてだ。


その感覚は歩いている間、ずっと続いた。



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