四番
「恭平と私と里依紗ってずっと前から友達だよね?」


「ああ。どうしたの急に?」


恭平の様子はいつもと違って、どこかおどおどしている。


いつもは他に誰かいるけど今は私と二人きりでいるからだろう。


今まで二人っきりになったことなんて記憶のどこを探しても見当たらない。


「なにがあったんだい?」


「なんにもない」


私が歯を見せて言うと恭平はさらに戸惑った。


「でも君はさっき電話で」


「強いて言えば恭平と話したかったの。二人だけで。ほら、私と恭平ってこうして二人で話したことないでしょう?」




< 68 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop