四番
「恭平が私のことどう思っているかって」


どうしたんだ?何を言っているんだ私は!


でも、恭平を前にしていると自分の言葉が止まらなくなる。


思ってもいないことを自分の言葉として発している。


「僕は」


恭平は逸らしていた視線を私に向けたときにテーブルに置いた私のスマホが着信を知らせた。


修哉からだ。一瞬、眉根を寄せると修哉からの電話には出ないで転送した。


「おい。 大丈夫か?どうしたの?」


恭平に言われてハッとする。


瞬間、自分の中を風が抜けるような感覚がしてなにかが軽くなったような気がした。


同時に激しい混乱に襲われる。


なぜ私は修哉からの電話を切ったのか?どうしよう?なぜこんなことを?




< 71 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop