四番
「あと虫のいいお願いなんだけど、今日のことは誰にも言わないでくれる?」


「ああ。誰にも言わないよ」


恭平とはそれから少し話してから、最後に改めて謝って電話を切った。


スマホをベッドに置くと大きな溜息が出た。


私ったら何をやってんだろう?


気を取り直して今度は修哉に電話する。


「私だけど」


「ああ、さっき部活終わってさ。別に用事ってわけじゃないけど電話したんだよ」


「うん。 ごめん、寝てた。着信見て気がついたんだ」


笑いながら言った。


「悪い。起こしちゃったか」


「ううん。大丈夫。修哉はもう家?」


「ああ」



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