四番
なにかが動いたような、空気が動くような気配。


でも部屋には私しかいない。


動くようなものは何もない。


汗がどっと出てきた。


「なんなのこれ?」


しばらく動かないでじっとして部屋の中に目を泳がせた。


なにもいないし、なにも動かない。


もう気配らしきものもない。


でも、自分の中の恐れは消えなかった。





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