四番
みんな気がつかないが心の奥底に漠然とした不安を抱いている。


ただ、自分でも気がつかないから不安や恐れとは違う形で出てくるのだ。


それはあっけらかんとしている里依紗の言葉からも僅かだが感じた。


いや、生徒たちだけではない自分の両親、町の人みんなが恐れ抱いているのかもしれない。


どうしてこんなことが起きているのか、誰にもわからない。


原因が分からないのだから、どのようにして終わるのかもわからない。


いつ自分や家族、友達が恐ろしい通り魔事件被害者になるのか?


何かもっと恐ろしいことが起きるのではないかという不安が不必要に心をザワつかせる。



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