四番
だから恭平は自分の気持ちを伝えるよりも、今の心地よい友人関係を維持することを優先した。


高校に入り、未来に恋人ができた。

修哉だ。水泳部で背も高く、容姿も端麗活発で明るく誰に対しても分け隔てがない一緒にいて気持ちのいい男だと恭平は思った。

四人のグループに修也も加わった。


その中で未来と修哉だけ特別な関係になった。

恭平にとってそれはむしろ歓迎することだった。


これで未来に対する密かな恋も終わる、自分の中でも諦めがつくそう思っていた。


自分から見ても修也は未来にふさわしい相手だと思うし、そんな修哉と友人となれて恭平も嬉しかった。

だが、心の奥ずっと奥底に自分でも割り切れない何かがあった。


その何かに昨日の未来の行動はわずかな火を灯してくれた。



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