四番
自分はまだ彼女に未練があると恭平は思った。


今の自分の気持ちを色々と客観的に見てみると、そうならざるを得ない。


かといって、今さら自分の気持ちを伝えようなどという悩みを抱くことはなかった。


このまま自分の気持ちを見ないでいれば時間が解決する。


燃えカスのような気持ちに今更火がついたところでたかが知れている、そう思うことにした。


これまでと変わらない平凡な日常を友達と会い、友達として語らい笑いあう。


それこそが自分にとって何ものにも代え難い大切な日常なのだと自分に言い聞かせた。


そう言い聞かせたときに自分を呼び出したときの未来を思い出した。


今思えばあの時、未来の雰囲気はいつものものとは違った


顔も何もかも目に見えるもの全てが未来なのだがその中、中身が未来ではない。


全く別の人間。



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