四番
「私は妄想じゃないわ。私は私として存在してる」


「また思ったことを当てられた。君は凄いね」


「本当の私はもっと凄いの」


女の子が笑う。


考えてみたら夢なんだから、なんでもありだなと恭平は思った。


「そろそろ帰るね。あまり出歩くのは疲れるから」


「出歩く?」


「あまり長いこと外にはいれないの」


「どこか悪いのかい?」


恭平が聞くと女の子は首を振った。


「また会いに来るね。会いに来ていい?」


「ああ」


夢の中で会う女の子に恭平も会いたいと素直に思った。



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