四番

黒犬

昨日の不思議な感覚と部屋で感じた恐れと気持ち悪さ。あれはなんだったんだろうと私は通学路を歩きながら考えた。

それにしても学校へ行くのが気恥しい。

理由は恭平とのことだった。どんな顔をして会えばいいのかわからない。

恭平が悪いわけではない。悪いのはわけのわからない行動をとった私なのだ。


普通に話せるだろうか?そんなことで頭を悩ませながら歩いていると、いつものように里依紗と真理に会い、三人で学校の門をくぐった。

教室に行くといつものように修哉と恭平がいる。


「おはよう」

「やあ」


ぎこちなさを必死に隠した私の挨拶に恭平はいつもと変わらぬ挨拶で返してくれた。

良かった。


恭平は昨日のことをとくに気にしてはいないようだ。

それでも私は終日気恥ずかしさを感じずにはいられなかった。

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