四番
放課後になり真理は用事があると言うので里依紗と二人で帰ることになった。


「なんか二人だけってのも久しぶりだよな?」

「そうだよね」

「ボウリングでもしてくか?」

「いいね!」


そんな風に話していると、前方の人影に気がついた。

あのお婆さんだ。

「へっ」

里依紗も気がついたようだ。

「大丈夫だよ」


警戒と怯えが混じった私の顔を見て微笑むとバッグを担いで私の前を歩き出した。

私も極力見ないようにして里依紗の横を歩く。そして、お婆さんの目の前に来ようというときだった。

「あっ!」

いきなりお婆さんが私達の後ろを見て驚いた。

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