四番
「えっ」

「なにっ」

私と里依紗も振り向く。

背後には大きな黒い犬がいつの間にかいた。

唸り声を上げ、真っ赤な舌を垂らし、牙をむいている。

突然雄叫びを上げると、黒い犬が私に襲いかかってきた!!

「きゃあっ!」

犬と一緒に倒れ込む。

「未来!」

里依紗が犬の横腹を思い切り蹴り上げた。

ギャウ!と短い悲鳴を発して犬が私の上から転がった。

素早く里依紗が私と犬の間に立ちふさがる。

「婆さん!杖を貸しな!早く!」

里依紗が犬から目をそらさずに、お婆さんの方へ右手を差し出す。

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