ぼっち美少女の桜井さんは、無口な久我くんに癒される
「あ、あの。その北澤先輩が何か……」
「だから、その北澤があんたのことを気に入ってるって言ってたの! 2年のくせにどんな手を使ったの!?」
「いえ、あの、話したこともないですし……」
私がそう言うと、左側に立ってる先輩が大きな声で威嚇するように怒り出す。
「はあぁ!? なにそれ!? 私は可愛いから、話なんてしなくても簡単に惚れさせられるって言いたいの!?」
そんなこと一言も言ってませんけど!?
何ですぐにそうやって、勝手に悪い方向に解釈するのよ!
こういった八つ当たりのような言いがかりは、昔からよくあることだ。
どんなに違うと説明をしても、「自分のことを可愛いと思ってるから……」って悪く思われて終わりなのだ。
またかとゲンナリしていると、突然男子の声が校舎裏に響いた。