今も 君の心に 輝く
でも、瑠璃は「はい。社員です。」
とは答えたものの。
それ以上は、言えず。
聞き返せず。
じっとしてしまった。

「ポーン」
とエレベーターの到着予定の合図に我に帰る。
すぐにエレベーターのドアがチャイムと共に開き、中から人が数人出て来た。
出て来た人たちは、彼方を見て、驚き、
急いでペコペコとお辞儀をする人たち。
彼方はそれに軽く会釈をして答えていた。
誰もいなくなったエレベーターに彼方と瑠璃は乗り込む。
瑠璃はエレベーターのボタン付近に立ち、やっとの思いで彼方へ話しかける。
「何階に向かわれますか?」
「30階!瑠璃は?」
「私は…」と言いつつつ、エレベーターの戸が閉まる。
「22階です」と小声で言いつつ、22階のボタンを押す。
「22階は総務課と営業課だよね。どちらの配属?」
「営業課です」
彼方は瑠璃に配属に驚く、営業課として瑠璃は外回りをしているようには思えないから。とすると、営業職員の事務をひきうけているのか・・と考えているうちに
「ポーン」と鳴り、すぐにチャイムも鳴った。22階に到着した。
彼方はもう少し話したい気分であったが、エレベーターは無常にも到着した。
瑠璃は緊張でガタガタしていたが、この音に救われた。
「失礼します」
と言って降りてしまった。
「はーっ 連絡先を聞きそびれた。」
後悔があったが、会えた嬉しさがました。

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