今も 君の心に 輝く
どのくらい時間が経ったのだろうか。

急に目の前に男性が現れた。

「こんにちは」

波に音とシンクロして
声をかけられたことに気が付かず、
私は驚いて、「こんにちは」とは返せなかった。

だって 今まで会ったことのない
決して私に声をかけてくる人ではなかったから。
とっても 優しい笑みで 挨拶をされた。

この海岸の国道近くのサイクリングロードは
砂浜の上にあって
そこを行き交う人は皆
道ゆく人 誰にでも挨拶をするのがルールだけど、
砂浜を歩く人たちは特に声をかける感じはなく、個々に個人のテリトリーの中で佇む。

今日は
サイクリングロードを走る気も
歩く気も全く起きなかったから。

今日は、
誰とも会話をする気もない私に
オーラが出ていたはずなのに、話しかけて来た。

< 4 / 14 >

この作品をシェア

pagetop