出会った彼は

「おめでとう芽依~!」

両手を大きく広げ、私をギュッと抱きしめてくれる。

「あ、ありがとう。すぐに話せなくてごめんね。」

「そんなのいいよ!事情が事情だもん。でも、ただの推しだと思ってたけどそんな事になってたなんてびっくり!」

興奮気味の美沙が話す。

「あ、もちろん言われなくても誰にも言わないから安心してね!浩介にすら教えてあげない!本当におめでとう!」


「それは、ありがとう。」

ニッコニコの美沙が嬉しそうに言ってくれるから自然と顔がほころぶ。


「でも、敵は多いから気を付けてね。何かあったらすぐに教えて!絶対力になるから。」

急にまじめな顔でそう言った美沙。

そうだよね。元々住む世界が違うから。


急に現実味が湧いて、少し緊張する。

「あれ、でも明日行くことは知ってるってこと?」

美沙が不思議そうに聞く。

「いや、遠征する事は言ってないから知らないよ。まあ言ったところで会場広いし分からないだろうけど。」
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