出会った彼は

ファンの人で溢れかえっている会場。

中に入るため、バーコードをタッチしてチケットを発券する。


「「え!これって!」」

美沙と2人で顔を見合わせる。2人の声も重なった。


チケットに印字された文字には

『スタンド1階 ××席』

昨日の夜、会場はどういった感じになっているのか。座席はどうなのかとあーだこーだ言い合ってみていた座席表。


スタンド1階ってもしかして。この席って…。

2人で中に入り、席まで行く。


「美沙、私今日命日かな?」

バックステージの真ん前の席が私たちの席だった。

「何言ってんの!死なないよ!私が死なせない!!」


訳の分からないことを言う私にしっかりしろとでもいう様に、美沙が背中を叩く。
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