出会った彼は

街をふらふらと歩いてウィンドウショッピングを楽しんで、カフェで時間をつぶしながら集合時間まで待つ。


いい頃合いに集合場所に行くと何人かの同級生がもう着いていた。

「芽依!久しぶり!」

「久しぶり!みんな元気だった?」

「元気元気!そろそろお店行こうか」


同級生と会話をしながら一緒に移動をする。

皆で他愛もない話をしていると

「ねえ、芽依のそれ。本郷涼太?」

「あ、うん」

「え、推しってやつ?」

私のスマホケースに挟んであるカードを見て友達が声を掛ける。


「へぇ~、推しってめっちゃお金かかりそう。そんなのにお金使ってどうするの?結婚できるわけでもないのに。」

「え…。」

何気なく言ったことだろうし、特に嫌味を言ったわけではないと思うけど私はすごく嫌な気持ちになる。


何となく話すのが気まずくなっていると周りの話は恋愛話や結婚話に移行していた。
< 12 / 514 >

この作品をシェア

pagetop